2025/3/28
LINEポケットマネーの任意整理/任意整理の業者別情報
【借入先別】任意整理情報

LINEが行うキャッシングサービスとして、LINEポケットマネーがあります。
LINEポケットマネーは、LINEアプリを通じて利用できる個人の利用者を対象とした無担保融資サービスです。利用者としては、申込みから審査、借入、返済までの一連の流れがすべてLINE上で完結するため、非常に利便性の高いサービスであるといえます。
現在、LINEポケットマネーの累計申込件数は150万件を超えており、貸付実行額は1,000億円超を記録するなど業界内でも注目されています。
LINEポケットマネーでは、借り入れたお金を銀行口座へ振り込む方法のほか、LINE Pay残高として受け取ることもできます。そして、LINEポケットマネーにおいてはLINE Payからの返済も可能であるなど、LINEの機能を十分に利用しながらキャッシングを行うことができるサービス仕様になっています。
なお、LINEポケットマネーを任意整理しても、LINEアカウントが削除されたりLINEミュージックなど他のLINE関連サービスが使えなくなるということはありませんので、この点についてはご安心ください。
今回は、LINEポケットマネーを任意整理する場合の最近の状況や注意点について、埼玉県で借金・債務整理に特化した弁護士が解説していきます。
LINEポケットマネーに関する基礎情報
商品名 LINEポケットマネー
会社名 LINE Credit 株式会社
本社所在地 東京都品川区西品川1-1-1
主な関連会社 LINE Financial株式会社
任意整理の用語解説
LINEポケットマネーの任意整理の状況を解説する前に、任意整理における用語を解説していきます。
①将来利息
債務者が債権者に対し、今後支払うべき利息のことです。
多くの会社では、年に18%程度の将来利息がかかります。
将来利息は、利息制限法第1条により上限が定められています。
・元本が10万円未満:年20%
・元本が10万円以上100万円未満:年18%
・元本が100万円以上:年15%
上限を超過しない将来利息は適法です。
債権者としては、適法な利息について原則として減額する必要はありません。しかし、債権者は任意整理において、適法な将来利息であったとしても、例えば「18%の利息をゼロに」などと減額に応じる場合があります(LINEポケットマネーの任意整理事案の実務については後掲をご参照ください)。
債権者が将来利息の減額等に応じる理由は、任意整理の対象者の中には多重債務者が少なくなく、将来利息の減額等がなされない場合、債務者による返済が進まず、その結果、自己破産に至ってしまう恐れがあるからです。
債務者が自己破産した場合、債権者は利息のみならず元本の回収もできなくなってしまいます。債権者にとっては債務者の自己破産はデメリットしかありません。
そのため、債務者の自己破産による回収不能という事態を避けるために、債権者は適法な将来利息であったとしても事案の性質・状況によっては減額等に応じることがあるのです。
②和解
弁護士が債務者の代理人として債権者と交渉し、任意整理がまとまることを和解といいます。
任意整理においては、債権者に対して将来利息のカットや返済期間の延長などを求め、その一方で債務者として元本の確実な返済を約束させるなど、債権者と債務者の双方がお互いに譲歩することにより和解(契約)が成立することになります(民法第695条参照)。
③和解成立までの経過利息(遅延損害金)
債務者による支払の延滞が発生した日から和解が成立した日までに発生した利息(遅延損害金)をいいます。
多くの会社では、年に20%程度の利息(遅延損害金)がかかります。
任意整理の実務においては、債権者に対して経過利息をカットしてくれるように交渉することが多くありますが、交渉したものの、債権者が結果的に経過利息のカットに応じないということも少なくありません。
これは、弁護士等が任意整理の事案を受任し、債権者に対して受任通知を出した後は債務の返済がストップしてしまうからです。
債権者としては、返済がストップしなければ発生したはずの利息を得ることができなくなるため、和解に応じる条件として経過利息のカットに応じることなく、この経過利息分を確保しようとするのです。
そのため、弁護士等が経過利息のカットを求めたにもかかわらず、債権者がこれに応じないということが少なくないのです。
④返済期間
任意整理の和解によって確定した残債務を実際に分割返済していく期間をいいます。
返済期間は、「残債務の金額」や「これまでの返済期間」等を考慮しつつ交渉により決定されますが、LINEポケットマネーの場合には、次の特徴があります。
・約定返済日: 毎月16日または26日のいずれかを選択できます。該当日が休日の場合は翌営業日が返済日となります。
・返済方式: 「残高スライド元利定額リボルビング方式」が採用されています。これは、借入残高と契約金利に基づいて毎月の返済額が決定される方式です。
・随時返済: 約定返済日以外の日にも返済が可能で、利息を減らし総返済額を効率的に減らすことができます。
・返済シミュレーション: 借入金額や利率を入力することで、毎月の返済額や返済回数をシミュレーションすることが可能です。
⑤受任
弁護士等が債務者(クライアント)より任意整理の依頼を受けたことを「受任」といいます。この場合、債務者と弁護士等との間で委任契約を締結します。
受任した弁護士等が債権者に対し、受任通知を送った場合、債権者は債務者に対して直接の連絡を取ることや、借金返済を直接請求したりすることはできなくなります(貸金業法第21条1項9号)。
このことは、債務者にとって任意整理を弁護士等に依頼する最大のメリットであるといえます。
債務者は弁護士等に対し、毎月の分割払いによって任意整理の費用を支払います。
任意整理の費用には、着手金や成功報酬等があり、着手金は任意整理の成功失敗にかかわらず弁護士等に対して支払う費用です。
任意整理の費用に明確な相場はありませんが、債権者1社につき5万円から7万円程度とする事務所が多いといえます(旧日弁連報酬規程によって金額の算定をする事務所が多い傾向にあります)。
任意整理の結果、支払い総額の減額や不当利得(過払金)の返還に成功した場合には、着手金のほかに減額・返還の金額に応じた一定の成功報酬が発生する場合があります。
⑥予定返済総額
任意整理を行わなかった場合、本来であれば債権者に対して返済をしなければならない合計金額(借入元金に利息を加えた合計金額)を予定返済総額といいます。
⑦期限の利益の喪失
任意整理は、自己破産とは異なり債務を免責させるものではありません。
債務者は、弁護士等を通じて債権者との間で返済条件・返済計画等について交渉を行い、それを「和解書」等の書面にまとめ、債務者代理人と債権者との間で記名押印し、各自1通ずつ保有します。
債務者は、毎回(毎月)、所定の期日までに債権者側が指定する銀行口座に振り込むことにより返済(分割返済)する義務を負います。
仮に、債務者が分割返済を2回以上怠り、それが和解書に定める一定の金額に達した場合には、債務者は自らが負う債務のすべてについて期限の利益を失うことになるため注意しておく必要があります。
「期限の利益を失う」とは、債務者が支払うことを要する債務のうち、既に支払った金額を控除した残額について、直ちに一括して返済することが必要になるということです。
LINEポケットマネーにおける最近の任意整理の状況
LINEポケットマネーは任意整理に協力的です。
LINEポケットマネーの任意整理では、将来利息の免除と最大60回分割が可能です。
ただし、任意整理を依頼する前の返済期間が短い場合には、和解条件が悪く分割回数も短くなるため注意が必要です。
以下で詳しく解説していきます。
LINEポケットマネーの任意整理状況
分割回数
最大で50回から60回分割に応じてもらえます。
ただし、任意整理を依頼する前の返済期間が短い(3年未満)場合には、最大36回分割程度となります。
将来利息
原則として免除してもらえます。
和解成立日までの経過利息
経過利息の免除には応じていただけません。
もっとも、近年では和解成立日までの経過利息を免除していただける会社の方がむしろ少ないので、通常通りの対応といえます。
LINEポケットマネーにおける任意整理の主な解決事例
解決事例①
任意整理前の状況
①40代男性
②公務員
③予定返済総額:約85万円(元金約65万円、利息約20万円)
④返済期間:約3年
⑤任意整理前の月々の返済額:約2万5000円
任意整理の結果
①返済総額:約65万円
②分割回数:60回の分割払い
③将来利息:全額免除
④月々の返済額:約1万1000円
任意整理によって減額できた金額
将来利息 約20万円の減額
月々の返済額 約1万4000円の減額
解決事例②
任意整理前の状況
①20代男性
②会社員
③予定返済総額:約40万円(元金約30万円、利息約10万円)
④返済期間:約1年
⑤任意整理前の月々の返済額:約1万1000円
任意整理の結果
①返済総額:約30万円
②分割回数:60回の分割払い
③将来利息:全額免除
④月々の返済額:約5000円
任意整理によって減額できた金額
将来利息 約20万円の減額
月々の返済額 約6000円の減額
LINEポケットマネーを任意整理する場合の注意点
完済から5年間は全てのクレジットカード利用や借り入れができなくなる
LINEポケットマネーを任意整理した場合、任意整理による返済が終了してから5年間は全てのクレジットカードが使えなくなり、借り入れも一切できなくなります。
これは、いわゆるブラックリストに載るためです。
そのため、クレジットカードで生活費を支払っている場合には、カード払いから振込や口座引き落としの方法に変更する必要があります。
任意整理に詳しい弁護士に相談することがおススメ
ここまでこの記事をお読みになり、自身で任意整理を行うにあたって債権者との交渉に不安を感じてきてはいないでしょうか。
「債権回収の専門家である相手方と返済の条件を交渉するなんて無理じゃないか?」
「先方に言われるままの条件をのまされるんじゃないだろうか」
確かに、任意整理は債権者側と交渉を行うことですが、債務者自身が債権者側と直接交渉しないといけないわけではありません。
もっとも、法的な専門知識と経験を備えた法律専門家(弁護士等)に依頼することが一般的です。
ここで注意しておくべきことは、弁護士であれば誰でもよい、というものではないということです。
あくまで、債務整理に詳しい弁護士であることが重要になります。
債権者は、任意整理における条件について、交渉開始当初は債務者にとって厳しいと思われる条件を提示してくることがあります。
このとき、法的知識や法的な交渉経験をほとんど持たない一般の方の場合、目の前にある交渉の現場から早く解放されたいという思いが先行してしまい、毎回の返済金額や返済回数等の重要な条件を自身の生活状況に照らして十分に検討しないまま受け入れてしまうという事態が生じ得るのです。
こうした事態を回避するためには、債務整理に精通した弁護士に依頼することが必要になるのです。
なお、弁護士ではなく、司法書士のうち法務大臣の認定を受けた「認定司法書士」に依頼するという方法もあり得ます。
もっとも、司法書士の場合、債権者1社に対する債務額が140万円を超える事案については受任することができないことに注意する必要があります。
また、司法書士の場合、一般的には弁護士と比較すると交渉経験をあまり多く持たないこともありますので、事務所のホームページ等で十分に調べてから相談すると良いでしょう。
まとめ
LINEポケットマネーについても、万一の場合には任意整理の対象にすることができます。
LINEポケットマネーは、利用者にとって非常に利便性のあるサービスであり、計画的に利用すれば自身の生活を豊かにすることができます。
ただし、支払をすることができなくなると、延滞金が発生するほか、自身の信用情報に大きな影響を与えることに注意する必要があります。
もしも支払いが困難になってしまった場合には、任意整理などの合法的な方法を利用することで無理のない支払いプランを立てることが可能です。
任意整理を検討している場合には、早めに任意整理に精通した弁護士等に相談し、最適な方法による早期解決を目指してください。
セントラルサポート法律事務所
弁護士 安井孟(埼玉弁護士会所属)
任意整理をはじめとした債務整理業務に特化した法律事務所を運営しております。

借金・債務整理のご相談はセントラルサポート法律事務所へ
【相談料無料】【着手金不要】
【リーズナブルで親身な対応】
【家族や友人・会社に知られにくい対応】
