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2025/11/24

ファミペイ(FamiPay)の任意整理/任意整理の業者別情報 ファミペイ(FamiPay)に関する基礎情報

【借入先別】任意整理情報

 

ファミペイ(FamiPay)は、株式会社ファミマデジタルワン が提供するキャッシュレス決済サービスです。

コンビニアプリとしてスタートした同サービスは、単なる「バーコード決済」にとどまらず、ポイント管理・クーポン配信・チャージ機能・公共料金支払い・後払い、キャッシングなど、多岐にわたる生活密着型サービスへと進化してきました。

特に2020年代に入ってからは、キャッシュレス決済の普及とともに利用者が急増し、ファミリーマートの店舗だけでなく、オンラインショップを含む幅広い加盟店で利用可能となっています。

さらに、FamiPayボーナスやキャンペーンによる還元施策が頻繁に行われるなど、利便性とお得感が特徴のサービスです。

しかし、その利便性の高さゆえに、ファミペイ翌月払いやファミペイローンを利用しすぎてしまい、支払いが難しくなるケースも少なくありません。

ファミペイは非常に便利なサービスである一方で、利用者の中には支払いに悩みを抱えるケースも少なくありません。

特に注意すべきなのが 「ファミペイ翌月払い」や「ファミペイローン」の使いすぎによる返済負担の増大です。

ファミペイ翌月払いやファミペイローンは、手軽に利用できるため、若年層や日常的にファミリーマートを利用する人を中心に利用者が増えています。

しかし、便利さの裏側で次のような問題が起きることがあります。

・気軽に使えるため、利用額が膨らみやすい

・翌月の請求が予想より大きくなるケースがある

・ボーナス利用やチャージ連携によって支出の実感が薄くなる

・返済が遅れると、督促や利用停止のリスクが生じる

このように、日常生活の中で「いつの間にか支払いが苦しくなっていた」という相談は珍しくありません。

実際、任意整理の相談においては、ここ数年でスマホ決済・キャッシュレス後払いに関する相談が確実に増えています。

そこで、今回は、ファミペイの任意整理における最近の状況や注意点について、埼玉県で借金・債務整理に特化した弁護士が解説していきます。

ファミペイに関する基礎情報

ファミペイ(FamiPay)を任意整理の観点から理解するためには、まずサービスの基本情報を正確に把握しておくことが重要です。

商品名:ファミペイ(FamiPay)

会社名:株式会社ファミマデジタルワン

所在地:東京都港区芝浦3-1-21msb Tamachi 田町ステーションタワーS

主な関連会社:ファミペイ関連事業は、複数のグループ企業・提携会社と連携して運営されています。代表的な関連会社は以下のとおりです。

  • ①株式会社伊藤忠商事
  • ②株式会社ファミリーマート

ファミリーマートは、近年コンビニエンスストア事業に加えて金融サービス領域に積極的に参入 しています。

特に「デジタル決済」「後払い」「収納代行」「金融商品の取り扱い」を軸に事業を拡大しています。

任意整理の用語解説

①将来利息

将来利息とは、完済まで今後支払うべき利息を指します。

多くの会社では、年に18%程度の将来利息がかかります。

将来利息は、利息制限法第1条により上限が定められています。

  • ①元本が10万円未満:年20%
  • ②元本が10万円以上100万円未満:年18%
  • ③元本が100万円以上:年15%

 

上限を超えない将来利息は適法です。

そのため、本来であれば貸金業者(債権者)は適法な利息について減額に応じる必要はありません。

もっとも、任意整理においては、適法な将来利息であったとしても、「18%を0%に免除」「18%を5%に減額」などと減額・免除に応じていただける場合があります。

貸金業者(債権者)が将来利息の減額・免除に応じる理由は、任意整理を行う方の中には多くの借金を抱える方が少なくなく、将来利息の減額・免除がなされなければ、自己破産を行われる恐れがあるからです。

自己破産を行われた場合、貸金業者(債権者)は利息のみならず、元金の回収もできなくなってしまいます。

そこで、自己破産を行われて回収不能となることを避けるために、貸金業者(債権者)は適法な将来利息であったとしても事案の性質や状況によって減額・免除に応じるのです。  

②和解

弁護士が会社と交渉し、任意整理がまとまることを和解といいます。

任意整理においては、貸金業者(債権者)に対して将来利息の減額・免除や返済期間の延長を求め、その一方で元金については返済することを約束し、貸金業者(債権者)と任意整理を行われる方の双方が互いに譲歩することにより和解(契約)が成立することになります。

和解手続きの過程では、弁護士が貸金業者(債権者)と交渉を行い、分割払いの条件や将来利息の減額免除など、返済の負担軽減を図ります。  

③和解成立日までの経過利息

和解が成立するまでの利息(遅延損害金)をいいます。

多くの会社では、年に20%程度の利息(遅延損害金)がかかります。

任意整理においては、貸金業者(債権者)に対して経過利息をカットするよう交渉することがありますが、交渉したものの、貸金業者(債権者)が結果的に経過利息のカットに応じないということも少なくありません。

これは、弁護士が任意整理の依頼を受け、貸金業者(債権者)に対して受任通知を出した後は、債務の返済が一時的にストップしてしまうからです。

貸金業者(債権者)としては、返済がストップしなければ発生したはずの利息を得ることができなくなるため、和解に応じる条件として経過利息のカットに応じることなく、この経過利息分を確保しようとするのです。

そのため、経過利息(遅延損害金)のカットは貸金業者(債権者)が応じないことが少なくありません。  

④返済期間

借り入れの返済期間をいいます。

例えば、2021年4月に100万円を借り入れ、その後、2021年5月~2022年4月まで返済を行った場合には、返済期間は1年間(12か月)となります。

⑤受任

弁護士が任意整理の依頼を受けたことをいいます。

この場合、依頼者と弁護士との間で委任契約を締結します。

弁護士が貸金業者(債権者)に対して受任通知を送ると、貸金業者(債権者)は依頼者への直接の連絡や督促・請求ができなくなります。

このことは、依頼者にとって任意整理を弁護士に依頼する最大のメリットであるといえます。

そして、依頼者は弁護士に対し、委任契約の内容に従って弁護士費用を支払います。

任意整理の費用に明確な相場はありませんが、債権者1社につき5万円から7万円程度とする事務所が多いといえます(旧日弁連報酬規程によって金額の算定をする事務所が多い傾向にあります)。 

任意整理の依頼を検討する際には、弁護士の実績や専門性も確認しましょう。  

⑥予定返済総額

任意整理をしない場合、本来であれば返済しなければならない金額(借入元金に利息を加えた合計金額)です。

ファミペイにおける任意整理の状況

ファミペイは任意整理の交渉対象となります。

ファミペイの任意整理は、交渉先によって条件が異なります。

以下で詳しく解説していきます。

ファミペイの任意整理情報

分割回数

分割回数は交渉先によって異なります。

 

①交渉先が新生フィナンシャル株式会社の場合

最大80回程度の分割に応じていただけます。

 

②交渉先がセゾン債権回収株式会社の場合

最大60回分割まで応じていただけます。

※負債額が少額の場合、返済期間が短い場合には、分割回数が短くなることがあります。

 

将来利息

①交渉先が新生フィナンシャル株式会社の場合

5%から10%程度の将来利息が求められます。

もっとも、任意整理前は18%程度の利息であるため、任意整理を行うことによって利息の負担は減少します。

 

②交渉先がセゾン債権回収株式会社の場合

原則として免除していただけます。

 

和解成立日までの経過利息

①交渉先が新生フィナンシャル株式会社の場合

免除していただけません。

 

②交渉先がセゾン債権回収株式会社の場合

免除していただけません。

 

ファミペイにおける任意整理の主な解決事例

解決事例①(交渉先:セゾン債権回収)

任意整理前の状況

  • ① 予定返済総額:40万円(残高約30万円+将来利息約10万円)

  • ② 任意整理前の月々の返済額:1万1000

 

任意整理の結果

  • ① 返済総額:約30万円(将来利息0円)

  • ② 分割回数:55回(4年7ヶ月)

  • ③ 将来利息:全額免除

  • ④ 月々の返済額:約5500円

 

任意整理によって減額できた金額

  • 将来利息:約10万円の減額

  • 月々の返済額:約5500円の減額

 

解決事例②(交渉先:セゾン債権回収)

任意整理前の状況

  • ① 予定返済総額:約60万円(残高約48万円+将来利息約12万円)

  • ② 任意整理前の月々の返済額:1万8000

 

任意整理の結果

  • ① 返済総額:約48万円(将来利息0円)

  • ② 分割回数:60回(5年)

  • ③ 将来利息:全額免除

  • ④ 月々の返済額:約8000

 

任意整理によって減額できた金額

  • 将来利息:約12万円の減額

  • 月々の返済額:約1万円の減額

 

解決事例③(交渉先:新生フィナンシャル)

任意整理前の状況

  • ① 予定返済総額:75万円(残高約50万円+将来利息約25万円)

  • ② 任意整理前の月々の返済額:1万3000

 

任意整理の結果

  • ① 返済総額:約58万円(将来利息約8万円)

  • ② 分割回数:72回(6年)

  • ③ 将来利息:5%

  • ④ 月々の返済額:約8000円

 

任意整理によって減額できた金額

  • 将来利息:約17万円の減額

  • 月々の返済額:約5000円の減額

 

ファミペイを任意整理する場合の注意点と落とし穴

完済から5年経過するまではクレジットカード利用や借入ができない

ファミペイを任意整理した場合、任意整理による返済が終了してから5年程度経過するまでは、各種借入やローン、クレジットカード利用、スマートフォン等の機種代の分割購入等が一切できなくなります。

これは、信用情報機関に事故情報が載る(ブラックリストに載る)ためです。

日常の生活費等をクレジットカードで決済されている場合、クレジットカードが利用できなくなりますが、代わりにデビットカードで代用することが可能です。

任意整理後にファミペイの再契約はできない

ファミペイの任意整理を行った場合、「社内ブラック」により、完済から5年経過しても原則としてファミペイの再契約はできません。

「社内ブラック」とは、任意整理を行った業者内において、過去に任意整理を行ったとの情報が残ることにより、基本的には永久に借り入れができないというものです。

 

任意整理を弁護士に依頼する流れ

①無料相談(LINE相談・電話相談・オンライン相談・対面相談)
※借入状況、毎月の収支状況、財産状況をヒアリング

②任意整理を行った場合の見込みや費用の説明

③契約

④弁護士が受任通知を送付(取立て停止)

⑤和解交渉

⑥返済開始

⑦完済

 

任意整理後に使える代替手段

クレジットカードが使えない期間の代替手段

クレジットカードが使えない期間中における便利な決済方法は以下の通りです。

✅デビットカード

✅プリペイドカード

✅電子マネー(Suica・WAON・PayPay等)

これらは審査不要のため、任意整理を行っても利用可能です。

QRコード決済の活用

クレジットカードを使わずに済む決済方法として、QRコード決済が普及しています。

PayPay・LINE Pay・楽天ペイなどは、銀行チャージ型を選べば任意整理中でも問題なく使えます。

 

まとめ/ファミペイの任意整理は弁護士への相談が重要

✅任意整理で将来利息の減額免除が可能

✅最大60回分割での和解が見込める 

返済が厳しくなった段階での早期対応が、生活再建への近道です。  

 

 

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弁護士 安井孟(埼玉弁護士会所属)

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