セントラルサポート法律事務所

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2023/6/13

自己破産でマイホームは処分される?持ち家と自己破産について

自己破産

 
自己破産を行う方の中には、マイホームをお持ちの方もいるかと思います。
 
自己破産を行うとマイホームを手放すことになりますが、「いつまでに自宅から退去しないといけないのか」、「自宅から退去した後はどうすれば良いのか」など、不安に思われる点は多いかと思います。
 
今回は、マイホームと自己破産について、埼玉県で借金・債務整理に特化した弁護士が解説していきます。

 

自己破産を行うとマイホームは処分される

 
自己破産とは、裁判所を通じ、税金や養育費など一部免責されない債務を除き全ての借金・未払金が免責される一方、一定額以上の財産が処分される手続きです。
 
自己破産を行うとマイホームは基本的に競売によって処分されます。
 
そのため、マイホームをお持ちの方が自己破産する場合、現在の住居を退去しないといけなくなります。
 
もっとも、家族や配偶者の方名義の持ち家については、あくまで他人の財産となりご自身の財産ではありませんので、自己破産を行っても処分されることはありません。
 
また、賃貸住居の場合、自己破産によって賃貸住居を対処しないといけなくなることもありません。

 

マイホームを任意売却するメリット

 
任意売却とは、住宅ローンの借入先等が競売によりマイホームを処分される前に、自らマイホームを売却することを言います。
 
任意売却を行う場合、競売によってマイホームが処分される場合と比べて次のようなメリットがあります。
 
 

①売却金から引越費用や弁護士費用が捻出できる場合がある

 

自己破産を行うとマイホームから退去し、新たに賃貸住居等に引っ越す必要があります。

もっとも、自己破産を行う場合に引っ越し費用や賃貸住居の初期費用がすぐに用意できる人はあまりいません。

また、自己破産にかかる弁護士費用を支払うことも難しい方もいます。

しかし、任意売却の場合には、このような問題を解決することができる場合があります。

任意売却の場合、競売よりも売却金額が高額になる場合が通常です。

そのため、マイホームを退去して次の賃貸住居等に移転するための引っ越し費用や初期費用を売却金から捻出することや、売却金から弁護士費用を捻出することができる場合もあります。

このように、任意売却を行う方が自己破産に伴って発生するコストを売却金から捻出できる分、みずから捻出する必要がなくなります。  

 

②自己破産手続きにかかる期間が短くなり費用も少なく済む

 

 マイホームを任意売却をすることにより、自己破産手続きが同時廃止手続きで終了する場合があります。

自己破産には、同時廃止と管財の2種類があります。

同時廃止とは、調査の必要もないほどに財産がない人や自己破産手続上問題がない場合に選ばれる手続きです。

同時廃止の場合、裁判所から管財人という弁護士が選ばれることなく自己破産手続きが終了しますので、

一方、管財とは、財産や自己破産手続上問題がある場合において、裁判所から管財人の弁護士が選ばれ、調査が行われる手続きです。

同時廃止の場合には、裁判所から管財人という弁護士が選ばれなくて済みますので、その分自己破産の手続きにかかる期間も短くなりますし、また管財人費用の最低20万円もかからなく済みます。  

 

自己破産を行う場合のマイホームに関する注意事項

 

①マイホームの名義を他人名義に変更することはNG

 

自己破産で処分される財産はあくまで自己破産を行う方の財産ですが、処分されることを回避するために財産を他人に移した場合などには、他人に移った財産も処分の対象となります。

そのため、マイホームを処分されることを回避するためにマイホームを他人名義に変更したとしても、結局他人名義となったマイホームは処分されることとなります。

また、このように財産を他人名義に移した場合、財産隠匿行為として自己破産自体が認められなくなりますので、行わないように注意しましょう。

 

②共有名義の不動産であっても処分される

 

マイホームの中には、親族等と共有名義となっている場合もあります。

もっとも、この場合においても、共有者の一人が自己破産を行うことにより、結果的にマイホームが処分されることがあります。

そのそも、共有名義の場合、あくまで共有持分しか処分されませんので、マイホームが直接処分されることはありません。

もっとも、共有持ち分を処分するということは、第三者が共有持ち分を購入して所有するということになりますが、持分だけを持っていても買主としては何のメリットもありませんので、共有物分割請求訴訟ということを起こすことにより、マイホームを売却する場合が多いです。

そして、この共有物分割請求訴訟により、マイホームは売却されることとなりますので、結果的にマイホームは処分されることとなってしまいます。

 
 
自己破産を行うとマイホームは原則処分されますが、例外的に処分を回避する方法があります。
 
それは、家族や友人にマイホームを売却し、住まわせてもらうという方法です。
 
たとえ家族であっても本人以外の財産は処分されることがありません。
 
そのため、家族や友人にマイホームを売却し、住まわせてもらうことにより、自己破産を行ってもマイホームに住み続けることができます。
 
 
セントラルサポート法律事務所
弁護士 安井孟(埼玉弁護士会所属)
 
任意整理をはじめとした債務整理業務に特化した法律事務所を運営しております。