2026/3/11
市役所職員が債務整理をしたらどうなる?仕事への影響は?
債務整理

市役所職員として安定した収入を得ているにもかかわらず、借金の返済が厳しくなり、債務整理を検討している公務員の方は少なくありません。
そして、公務員という職業の性質上、自己破産をすると免職になるのではないか、任意整理や個人再生の手続きをすれば職場に知られてしまうのではないか、退職金や給与に影響が出るのではないかといった不安を抱え、誰にも相談できずにひとりで抱え込んでしまうケースが多いのが現実です。
懲戒処分の対象になると思われたり、共済組合からの借入がある場合の対応など、一般の会社員とは異なる注意点があると考え、問題の解決に踏み出せずにいる方もいるでしょう。
しかし、市役所職員を含む公務員であっても任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理の手続きを行うことは法律上可能です。
この記事では、債務整理の種類ごとの違いや市役所職員の仕事への影響についてわかりやすく解説していきます。
債務整理とは
債務整理とは、借金の返済が困難になった場合に、法律に基づいて返済の負担を軽減または免除し、生活の立て直しを図るための手続きの総称です。
消費者金融やクレジットカード、カードローンなどによる借入が増え、毎月の返済が難しくなった場合には債務整理という選択肢があります。
もちろん、市役所職員もこの制度を利用できます。
債務整理の手続きには、主に任意整理・個人再生・自己破産の3種類があり、それぞれ減額できる金額や財産への影響、手続きの流れ、条件が異なります。
任意整理
任意整理とは、裁判所を通さずに弁護士や司法書士が債権者と直接交渉し、将来利息の減額免除や月々の返済額の減額を目指す方法です。
借金の元金自体は減額されないものの、交渉で利息をカットできる可能性があるため、安定した給与収入がある市役所職員にとって利用しやすい方法といえます。
任意整理では整理する借入先を選べるため、住宅ローンなどは任意整理せず、それ以外の借入先について任意整理することも可能です。
また、財産を処分する必要がなく、職場や家族に知られにくいという点もメリットです。
個人再生
個人再生は、裁判所の手続きを通じて借金を大幅に減額し、原則3年、最長5年で分割返済していくという手続きです。
借金の総額や保有する財産によって減額後の返済額が決まりますが、状況によっては5分の1程度まで元本が圧縮される可能性があります。
個人再生の最大の特徴である住宅ローン特則を利用すれば、住宅ローンのある自宅を残したまま借金を整理できる点が大きな特徴です。
個人再生の利用には一定の継続した安定収入が必要になるため、給与が安定している公務員は個人再生の条件を満たしやすい傾向があります。
個人再生では、職場や家族に知られる可能性が高いです。
自己破産
自己破産とは、裁判所に申立てを行い、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
返済が不能であると認められた場合、税金など一部を除くほとんどの債務の支払い義務がなくなります。これを免責といいます。
自己破産をした場合は、一定額以上の財産は処分されるものの、生活に必要な最低限の財産は手元に残すことが可能です。
借金問題を根本的に解決できる一方で、職場や家族に知られる可能性が高い手続きです。
市役所職員が債務整理をしても免職にはならない
借金問題を抱えている市役所職員の多くが心配するのが「債務整理をすると公務員を続けられなくなるのではないか」という点です。
しかし、債務整理を行ったこと自体を理由として免職になることはありません。
公務員の免職事由に債務整理は含まれていません。
そもそも、任意整理・個人再生・自己破産はいずれも法律で認められた正当な手続きであり、これを利用することは何の問題もありません。
借金の整理を行うことと、公務員としての身分は別の問題として扱われます。
資格制限に市役所職員は含まれていない
自己破産の手続きをした場合には、破産手続開始決定から免責決定までの一定期間、就くことができない職業(資格制限)が存在します。
しかし、この制限の中に市役所職員を含む公務員は入っていません。
つまり、自己破産をしたとしても、それだけで地方公務員である市役所職員として働けなくなることはないということです。
ですので、公務員として市役所に勤務しながら破産手続きを進めることは可能です。
自己破産の資格制限がある職業
自己破産によって一時的に資格制限を受ける主な職業には、次のようなものがあります。
● 弁護士・司法書士・行政書士
● 公認会計士・税理士
● 宅地建物取引士
● 警備員
● 保険外務員
● 会社の取締役や監査役
など これらは他人の財産を管理する立場や、信用性が特に求められる職業であるため一定の資格制限が設けられています。
この中に市役所職員は含まれていないため、自己破産や個人再生、任意整理をしても市役所職員としての身分には影響はありません。
債務整理が理由で懲戒はできない
市役所職員が債務整理を考えるときに気にしてしまうことが多い懲戒についてですが、債務整理を行ったこと自体を理由として懲戒処分を行うことはありません。
公務員に対する懲戒処分は法律に定められた事由がある場合に限られます。
国家公務員法第82条第1項では、懲戒の対象となるのは「法令違反」「職務上の義務違反」「全体の奉仕者としてふさわしくない非行」があった場合とされています。
借金の返済が困難になり、法律に基づいて債務整理を行うことは懲戒処分の理由にはなりません。
もっとも、長期間の滞納による給与差押えや、職務に支障が出るような金銭トラブルなど、業務への影響が生じた場合には別の問題として評価される可能性もあります。
そのため、状況が深刻化する前に専門家へ相談し、適切な方法で解決を図ることが重要です。
参考:国家公務員法第82条1項
債務整理が職場に知られるリスクはある
市役所職員が債務整理をしたからといって、職場に通知される制度はありません。
どの手続きであっても勤務先に連絡がいくことは原則としてなく、そして、弁護士や法律事務所には守秘義務があるため、外部に情報が漏れる心配もありません。
しかし、手続きの種類や借入先の状況によっては、結果的に知られる可能性があるケースもあります。
知られる可能性があるのはどんなときかを知っておきましょう。
共済組合から借入がある場合
市役所職員で共済組合の貸付制度を利用しているケースで自己破産や個人再生をすると職場に知られてしまう可能性があります。
共済からの借入を債務整理の対象に含めると、返済方法の変更や残債の処理が行われるため、給与控除の停止などの手続きが発生します。
給与からの天引きという形で返済している場合は、担当部署が処理を行うため、今までとは違うお金の動きになるため借金整理をしたことが推測される可能性があります。
特に個人再生や自己破産では、共済組合も必ず債権者として扱われるため注意が必要です。
一方で、任意整理を選んだ場合は共済からの借入を対象外にすることで、これまでどおり給与天引きによる返済を継続し、職場に知られるリスクを抑える方法もあります。
どの債務を整理の対象にするかは、収入や返済額、生活状況を考慮したうえで専門家と検討することが重要です。
個人再生や自己破産の場合
個人再生や自己破産を行う場合、様々な資料を提出する必要があります。
資料の中には、本人が取得して提出すれば良い資料も多くありますが、中には同居家族や勤務先から提出していただかなければならない資料もあります。
例えば、同居家族の給与明細や源泉徴収票、勤務先の退職金額がわかる資料などです。
このような資料の提出を同居家族や勤務先に依頼する際に理由を聞かれるなどして、手続きについて知られたり推測される可能性もあります。
そのため、個人再生や自己破産においては、同居家族や勤務先に手続きを知られる可能性が比較的高いです。
官報を見られた場合
個人再生や自己破産を行うと、官報に氏名や住所が掲載されます。
これは法律で定められた手続きであり避けることはできません。
そして官報はすべての人に公開される情報ですので隠す方法はありません。
ただし、官報を日常的に確認している人は限られており、直ちに職場や家族、友人等に知られる可能性は高いとはいえないのが実情です。
官報掲載のリスクを回避するためには、任意整理を選択するという方法があります。
任意整理は裁判所の手続きを介さないため官報に掲載されることがなく、職場に知られる可能性をできるだけ低くしたい場合には有効な選択肢となります。
市役所職員が債務整理をするときのポイント
市役所職員が借金問題を解決するためには、公務員という立場と安定した収入という特徴を考慮して最適な手続きを選ぶことが重要です。
専門家に相談する
どの債務整理の方法を選ぶのがよいか、そして、減額できる金額、手続きにかかる期間や費用は、借入総額や収入、家計の状況によって大きく変わります。
弁護士や司法書士といった専門家に相談することで、自分の状況に適した解決策を知ることができ、職場に知られるリスクを最小限にした手続きの進め方についても具体的な提案を受けられます。
多くの法律事務所では無料相談に対応しているため、相談費用を捻出できなくても意見を聞くことは可能です。
また、無料相談をしたからといって必ず依頼しなければならないわけではありません。
返済が困難な状態を放置すると、督促や差押えといった問題に発展し、かえって職場への影響が大きくなる可能性があるため、早めに専門家へ相談することが解決への近道になります。
ひとりで決めない
借金の問題は周囲に打ち明けにくく、ひとりで抱え込んでしまう人が多い傾向があります。
特に「知られたくない」という気持ちからひとりで抱え込んでしまうケースは少なくありません。
しかし、誤った情報や思い込みだけで重要な選択をしてしまうのはリスクが高くなります。
まずは、家計の状況や今後の生活設計を客観的に整理し、専門家と一緒に返済計画を立てることが大切です。
これによって、無理のない方法を選択することが可能になります。
市役所職員は収入が安定しているため、任意整理や個人再生など、複数の選択肢が検討できる点も大きなメリットです。
債務整理を専門家に相談するメリット
借金問題を抱えたまま返済を続けていると、利息の増加や督促によって生活が圧迫され、精神的な負担も大きくなります。
ストレスを軽減し、リスクを回避し、市役所職員という収入の安定性を踏まえた最適な方法を選ぶためには、専門家への相談が重要です。
手続きを代行してもらえる
専門家に依頼するメリットのひとつに手続きの代行があります。
任意整理では債権者との交渉、個人再生や自己破産では裁判所への提出書類の作成や手続きの進行管理が必要になります。
これらをすべて一人で行うのは大きな負担となり、書類の不備や対応の遅れによって不利な結果につながる可能性もあります。
また、専門家に依頼すれば、受任通知が送付された時点で督促や取り立てが止まり、落ち着いて生活を立て直す時間を確保できます。
また、借入総額や収入、財産の状況をもとに、任意整理・個人再生・自己破産のどの方法が適しているかを客観的に判断してもらえる点も大きなメリットです。
守秘義務があるため安心
弁護士や司法書士には法律で守秘義務があるため、相談内容や依頼した事実が外部に知られることはありません。
職場や家族に借金の問題を知られたくない場合でも、安心して相談することができます。
まとめ
市役所職員であっても、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理を行うことは法律上可能です。
そして、債務整理を理由に免職や懲戒処分になることはありません。
ただし、共済組合からの借入を整理の対象にした場合や、自己破産・個人再生の場合など、家族や職場に知られる可能性がある点には注意が必要です。
そのため、知られるリスクを最小限にしたいという場合は、最適な方法を選択することが重要になります。
借金の返済が困難な状態を放置すると、給与の差押えなどによってかえって職場への影響が大きくなるおそれがあります。
早い段階で弁護士や司法書士などの専門家に相談すれば、職場に配慮した形で手続きを進めながら、無理のない返済計画や借金の減額・免除を目指すことができます。
まずは無料相談を利用して専門家の意見を聞きましょう。
セントラルサポート法律事務所
弁護士 安井孟(埼玉弁護士会所属)
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