2022/8/29
任意整理をするといくら減額できる?借入金額別のシミュレーション解説
任意整理
任意整理をすると借金が減額される、ということは知っている方が多いです。
ただ、実際にいくら減るのかについて具体的に書かれているものはなく、本当に減額できるのか疑問に思う方は多いと思います。
そこで、今回は、任意整理をした場合に実際いくら減るのかについて、具体的な減額シミュレーションも紹介しながら解説していきます。
任意整理とは?
任意整理とは?
任意整理とは、弁護士が貸金業者等と交渉し、原則として利息を免除してもらうとともに、月々の返済額を減らす手段です。
任意整理の場合、借金の残額を3年から5年程度で返済することになります。
任意整理を行うことにより、返済総額が減額するとともに月々の返済額も減額しますので、返済の目途が経つようになります。
※借入先によっては任意整理ができない場合もあります。
任意整理のメリット
月々の返済額が減額される
月々の返済額が概ね3分の2から半分程度にまで減額されます。
今後の利息が免除される
任意整理では今後の利息が免除されます。
※返済期間や業者によっては利息の全額免除まではできない場合もあります。
家族や会社等にバレにくい
任意整理は家族や会社等にバレることなく借金の整理が可能です。
家や車などの財産を処分されない
自己破産と異なり、任意整理では家や車などの財産を残したまま借金の整理ができます。
任意整理のデメリット
借金が免除されない
任意整理は裁判所を通さない手続きであり、借金が免除されるわけではありません。
一定期間はクレジットカードが使えず、借入もできない
完済から最低5年程度はクレジットカードが使えず、借入も一切できなくなります。
任意整理ができない借入先もある
全ての借金で任意整理ができるわけではありません。
特に、貸金業者以外の会社や奨学金、個人間の貸し借り等は任意整理ができません。
任意整理による減額効果
では、実際に任意整理を行うといくらぐらい減るのでしょうか。
借入総額や月々の返済額に応じて減額効果を解説していきます。
①借入総額100万円・月々の返済額2万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 2万円
利息を含めた返済総額 186万円(元金100万円、利息86万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 1万6700円(60回分割)
返済総額 100万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 3300円の減額
返済総額 86万円の減額
②借入総額100万円・月々の返済額3万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 3万円
利息を含めた返済総額 140万円(元金100万円、利息40万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 1万6700円(60回分割)
返済総額 100万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 1万3300円の減額
返済総額 40万円の減額
③借入総額100万円・月々の返済額4万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 4万円
利息を含めた返済総額 127万円(元金100万円、利息27万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 1万6700円(60回分割)
返済総額 100万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 2万3300円の減額
返済総額 27万円の減額
④借入総額200万円・月々の返済額4万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 4万円
利息を含めた返済総額 372万円(元金200万円、利息172万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 3万3300円(60回分割)
返済総額 200万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 6700円の減額
返済総額 172万円の減額
⑤借入総額200万円・月々の返済額6万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 6万円
利息を含めた返済総額 280万円(元金200万円、利息80万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 3万3300円(60回分割)
返済総額 200万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 2万6700円の減額
返済総額 80万円の減額
⑥借入総額200万円・月々の返済額8万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 8万円
利息を含めた返済総額 253万円(元金200万円、利息53万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 3万3300円(60回分割)
返済総額 200万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 4万6700円の減額
返済総額 53万円の減額
⑦借入総額300万円・月々の返済額6万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 6万円
利息を含めた返済総額 558万円(元金300万円、利息258万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 5万円(60回分割)
返済総額 300万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 1万円の減額
返済総額 258万円の減額
⑧借入総額300万円・月々の返済額8万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 8万円
利息を含めた返済総額 445万円(元金300万円、利息145万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 5万円(60回分割)
返済総額 300万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 3万円の減額
返済総額 145万円の減額
⑨借入総額300万円・月々の返済額10万円の場合
※借入期間3年程度の場合を想定しています。
任意整理前の状況
借入利息 18%
月々の返済額 10万円
利息を含めた返済総額 404万円(元金300万円、利息104万円)
任意整理後の状況
将来利息 0%
月々の返済額 5万円(60回分割)
返済総額 300万円
任意整理による減額金額
月々の返済額 5万円の減額
返済総額 104万円の減額
任意整理による減額効果が期待できない場合
任意整理を行うと、かなりの減額が期待できます。
もっとも、事情によっては任意整理の減額効果があまり期待できない場合もありますので、そのような場合について解説していきます。
①返済期間が極端に短い場合
返済期間が6か月未満など極端に短い場合、借入業者によっては任意整理の条件が厳しくなります。
具体的には、分割回数が短くなり、任意整理前よりも月々の返済額が増加する場合や、将来利息(5%から10%程度)を求められる場合があります。
そのため、返済期間が極端に短い場合には、任意整理を依頼する前に、任意整理をするメリットがあるのか否かについて弁護士に確認するようにしましょう。
②奨学金などの低金利の借入の場合
任意整理は、利息を減額することで借金を減額するものです。
そのため、奨学金などもともと低金利の借入は、そもそも任意整理を行っても減額効果はあまり得られません。
③任意整理に応じないor応じても条件が厳しい業者の場合
借入業者の中には、任意整理に応じない業者や、応じても条件が厳しい業者もあります。
具体的には、①将来利息の免除に応じない業者、②分割払いに応じない業者です。
①の場合には、利息の減額金額が少なくなるため任意整理を依頼する効果があまりありませんし、②の場合には、そもそも任意整理を依頼する前よりも返済条件がかなり悪化してしまいます。
そのため、任意整理が可能な借入業者か否かについて、事前に弁護士に確認するようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は任意整理をした場合の減額効果について解説していきました。
セントラルサポート法律事務所
弁護士 安井孟(埼玉弁護士会所属)
任意整理をはじめとした債務整理業務に特化した法律事務所を運営しております。
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