2025/11/13
dスマホローンの任意整理を徹底解説|和解条件・解決事例・注意点まとめ
【借入先別】任意整理情報

近年知名度が増加しているdスマホローン
dスマホローンは、2022年7月にサービスが開始された比較的新しいローンサービスですが、現在は利用者数が増加しています。
利用者数が増える現在では、dスマホローンの返済にお困りの方も多いかと思います。
そこで、今回はdスマホローンの任意整理について、埼玉県で借金・債務整理に特化した弁護士が解説していきます。
dスマホローンとは?サービスの概要
dスマホローンの概要
「dスマホローン」とは、株式会社NTTドコモが提供するローンサービスで、ドコモユーザーを中心に、比較的手軽に借入が可能なカードローンとして展開されています。
dスマホローンの利息は実質年率3.9%〜17.9%とされていますが、携帯電話でドコモを利用している方や、クレジットカードのdカードを利用している方は利息の割引もあります。
dスマホローン | カードがいらないドコモのカードローン | NTTドコモ
商品名 dスマホローン
会社名 株式会社NTTドコモ
会社所在地 東京都千代田区永田町2-11-1
主な関連会社 株式会社ドコモ・ファイナンス
株式会社ドコモ・ファイナンス債権回収
dカードとの違い
「dスマホローン」と名前が似ていて混同されがちなのが「dカード」です。
dカードは、株式会社NTTドコモが提供するクレジットカードサービスです。
dカードにおいてもキャッシングサービスはあるため、dスマホローンと混同されることもあります。
もっとも、dカードとdスマホローンでは、任意整理における交渉先がそれぞれ異なるため、両者は別物と認識する必要があります。
dスマホローンを利用している人の特徴と傾向
dスマホローンの利用者の傾向としては、ドコモ回線契約を長年継続しており、dアカウントやdポイントサービスを活用しているユーザーが多く見られます。
dスマホローンの返済が厳しくなる主な原因
利息による負担増
dスマホローンの実質年率は3.9%〜17.9%とされていますが、借入額が100万円未満の場合には、上限金利の17.9%となる場合も多いです。
年率17.9%で借入れを行うと毎月の利息負担が増加し、元金がなかなか減らない状態に陥ります。
特に、他社からの借入れが多い場合、利息の支払いすら追いつかず返済が苦しくなるという悪循環に陥りやすくなります。
携帯料金や他社ローンとの二重負担
ドコモ回線の月額料金、スマホ本体の分割払い、d払い、他社カードローン・キャッシングなど複数の支払いを抱えている方が、dスマホローンを利用することで返済がさらに重荷になる場合があります。
特に、他社からの借入れの合計が年収の3分の1近くに達している状態では、dスマホローンの返済開始後に余裕がなくなり、滞納を招くリスクが高くなります。
任意整理の用語解説
ここでは、任意整理における用語について解説を行います。
将来利息
将来利息とは、完済まで今後支払うべき利息を指します。
多くの会社では、年に18%程度の将来利息がかかります。
将来利息は、利息制限法第1条により上限が定められています。
- ①元本が10万円未満:年20%
- ②元本が10万円以上100万円未満:年18%
- ③元本が100万円以上:年15%
上限を超えない将来利息は適法です。
そのため、本来であれば貸金業者(債権者)は適法な利息について減額に応じる必要はありません。
もっとも、任意整理においては、適法な将来利息であったとしても、「18%を0%に免除」「18%を5%に減額」などと減額・免除に応じていただける場合があります。
貸金業者(債権者)が将来利息の減額・免除に応じる理由は、任意整理を行う方の中には多くの借金を抱える方が少なくなく、将来利息の減額・免除がなされなければ、自己破産を行われる恐れがあるからです。
自己破産を行われた場合、貸金業者(債権者)は利息のみならず、元金の回収もできなくなってしまいます。
そこで、自己破産を行われて回収不能となることを避けるために、貸金業者(債権者)は適法な将来利息であったとしても事案の性質や状況によって減額・免除に応じるのです。
和解
弁護士が会社と交渉し、任意整理がまとまることを和解といいます。
任意整理においては、貸金業者(債権者)に対して将来利息の減額・免除や返済期間の延長を求め、その一方で元金については返済することを約束し、貸金業者(債権者)と任意整理を行われる方の双方が互いに譲歩することにより和解(契約)が成立することになります。
和解手続きの過程では、弁護士が貸金業者(債権者)と交渉を行い、分割払いの条件や将来利息の減額免除など、返済の負担軽減を図ります。
和解成立日までの経過利息
和解が成立するまでの利息(遅延損害金)をいいます。
多くの会社では、年に20%程度の利息(遅延損害金)がかかります。
任意整理においては、貸金業者(債権者)に対して経過利息をカットしてくれるように交渉することが多くありますが、交渉したものの、貸金業者(債権者)が結果的に経過利息のカットに応じないということも少なくありません。
これは、弁護士が任意整理の依頼を受け、貸金業者(債権者)に対して受任通知を出した後は、債務の返済が一時的にストップしてしまうからです。
貸金業者(債権者)としては、返済がストップしなければ発生したはずの利息を得ることができなくなるため、和解に応じる条件として経過利息のカットに応じることなく、この経過利息分を確保しようとするのです。
よって、経過利息(遅延損害金)のカットは貸金業者(債権者)が応じないことが少なくないです。
返済期間
借り入れを行い始めてから任意整理を行うまでの返済期間をいいます。
例えば、2021年4月に100万円を借り入れ、その後、2021年5月~2022年4月まで返済を行った場合には、返済期間は1年間(12か月)となります。
受任
弁護士が任意整理の依頼を受けたことをいいます。
この場合、依頼者と弁護士との間で委任契約を締結します。
弁護士が貸金業者(債権者)に対して受任通知を送ると、貸金業者(債権者)は依頼者への直接の連絡や督促・請求ができなくなります。
このことは、依頼者にとって任意整理を弁護士に依頼する最大のメリットであるといえます。
そして、依頼者は弁護士に対し、委任契約の内容に従って弁護士費用を支払います。
任意整理の費用に明確な相場はありませんが、債権者1社につき5万円から7万円程度とする事務所が多いといえます(旧日弁連報酬規程によって金額の算定をする事務所が多い傾向にあります)。
任意整理の依頼を検討する際には、弁護士の実績や専門性を確認しましょう。
予定返済総額
任意整理をしない場合、本来であれば返済しなければならない金額(借入元金に利息を加えた合計金額)です。
dスマホローンに関する最近の任意整理の状況
dスマホローンの任意整理は条件がやや厳しいです。
dスマホローンの任意整理では、原則最大36回分割までとなります。
以下で詳しく解説していきます。
分割回数
原則として最大36回分割
※債務額が多い場合や収支状況によっては50回分割程度も可能な場合があります。
将来利息
原則として免除していただけます。
和解成立日までの経過利息
原則として免除していただけます。
dスマホローンにおける任意整理の主な解決事例
dスマホローンにおける任意整理の主な解決事例を紹介します。
解決事例①
任意整理前の状況
①予定返済総額:約205万円(元金約145万円、利息約60万円)
②返済期間:約1年
③任意整理前の月々の返済額:約3万5000円
任意整理の結果
①返済総額:約145万円
②分割回数:52回の分割払い
③将来利息:全額免除
④月々の返済額:約2万8000円
任意整理によって減額できた金額
将来利息 約60万円の減額
月々の返済額 約7000円の減額
解決事例②
任意整理前の状況
①予定返済総額:約52万円(元金約40万円、利息約12万円)
②返済期間:約2年
③任意整理前の月々の返済額:約1万5000円
任意整理の結果
①返済総額:約40万円
②分割回数:36回の分割払い
③将来利息:全額免除
④月々の返済額:約1万1000円
任意整理によって減額できた金額
将来利息 約12万円の減額
月々の返済額 約4000円の減額
解決事例③
任意整理前の状況
①予定返済総額:約45万円(元金約35万円、利息約10万円)
②返済期間:約2年
③任意整理前の月々の返済額:約1万2000円
任意整理の結果
①返済総額:約35万円
②分割回数:36回の分割払い
③将来利息:全額免除
④月々の返済額:約1万円
任意整理によって減額できた金額
将来利息 約10万円の減額
月々の返済額 約2000円の減額
dスマホローンの任意整理における注意点と落とし穴
完済から5年経過するまではクレジットカード利用や借入ができない
dスマホローンを任意整理した場合、任意整理による返済が終了してから5年程度経過するまでは、各種借入やローン、クレジットカード利用、スマートフォン等の機種代の分割購入等が一切できなくなります。
これは、ブラックリストに載る(個人信用情報機関に事故情報が登録される)ためです。
日常の生活費等をクレジットカードで決済されている方の場合、クレジットカードが利用できない代わりにデビットカードで代用するということが可能です。
任意整理後にdスマホローンの再契約はできない
dスマホローンの任意整理を行った場合、原則として完済から5年経過しても再契約はできません。
これは、いわゆる「社内ブラック」というもので、一度任意整理した業者は基本的には永久に借り入れができないというものです。
ただし、完済から5年経過すれば、他の会社でのクレジットカード利用・各種借入やローンは可能になります。
任意整理を弁護士に依頼する流れ
①無料相談(LINE相談・電話相談・オンライン相談・対面相談)
※借入状況、毎月の収支状況、財産状況をヒアリング
②任意整理を行った場合の見込みや費用の説明
③契約
④弁護士が受任通知を送付(取立て停止)
⑤和解交渉
⑥返済開始
⑦完済
任意整理後に使える代替手段
クレジットカードが使えない期間の代替手段
クレジットカードが使えない期間中における便利な決済方法は以下の通りです。
✅デビットカード
✅プリペイドカード
✅電子マネー(Suica・WAON・PayPay等)
いずれも審査不要で、任意整理を行っても利用可能です。
QRコード決済の活用
クレジットカードを使わずに済む決済方法として、QRコード決済が普及しています。
PayPay・LINE Pay・楽天ペイなどは、銀行チャージ型を選べば任意整理中でも問題なく使えます。
よくある質問
Q1. dスマホローンを任意整理するとドコモの携帯も使えなくなりますか?
→ dスマホローンを任意整理してもドコモの携帯電話は引き続き利用可能です。
Q2.dスマホローンの任意整理ができない場合はありますか?
→ 基本的に任意整理ができないということはありません。ただし、借り始めてから1年未満で任意整理を行うと、和解条件が悪化することがあります。
Q3. 任意整理後にdカードは再発行できる?
→ できません。dスマホローンを任意整理すると、完済から5年経過してもなお、社内ブラックとしてdカードの発行はできない可能性があります。
Q4. 家族名義の契約に影響はありますか?
→ 信用情報は個人単位で管理されるため、原則として影響はありません。
まとめ/dスマホローンの任意整理は弁護士への相談が最短ルート
✅任意整理で将来利息・遅延損害金の免除が可能
✅最大36回分割(例外的に50回分割程度)での和解が見込める
✅dスマホローンの任意整理でドコモの携帯に影響はなし
返済が厳しくなった段階での早期対応が、生活再建への近道です。
セントラルサポート法律事務所
弁護士 安井孟(埼玉弁護士会所属)
任意整理をはじめとした債務整理業務に特化した法律事務所を運営しております。

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